相談員が受けた相談

他の利用者の様子を見て不安に感じる

特別養護老人ホーム / 認知症あり / 女性

【相談内容】

 口にたくさん含んでいるのに、頻繁に流動食を押し込まれている介助の様子を見て、別の利用者さんが、「私もされるのかな?」と寒心な発言をされた。

【相談員の対応】

 自分もそのように感じながら、観察していました。職員の方が時間に追われているような感じを受けたので施設に伝えました。

【施設の対応】

 人員は規定数確保できていますが、当日欠勤者があった時の対応がよくなかった。
チーム分けの弱点がでた事例であるので早速改善します。

【事務局の対応】

 事業所に対して今後の業務の参考になるよう相談報告書を作成し送付。

【改善状況】

 チーム分けを改善し、職員同志の協力体制がよくなった。
 利用者の体調を考え、居室で1対1の間食時間もある。
 職員の方は、利用者さんと向き合える貴重な時間と考え対応されるようになった。

【相談員の感想】

 職員が心に余裕をもって、仕事に従事されるようになった気がします。
 職員の意欲が低下しないような心配りをする必要もあると感じます。
 施設が迅速に対応して下さり、私もやりがいを感じました。


解説・ポイント

 食事の場面に表れた職員の対応が糸口となって職員の配置などの問題解決に繋がっていった事例である。

 食事介助や排泄介助、入浴介助など生活技術に直接関係する介助は、介護職員の技術や態度に大きく左右されるが、それを介護職員個人レベルの問題だけにしないことが重要なポイントである。

直接の介助に関しては、職員の技術の差異や経験、それぞれの価値観、職務に対する姿勢、利用者に対する人権意識、尊厳に対する意識など個人レベルの問題と考えがちになるが、職員の姿勢をはじめ技術なども含めて、サービス提供事業所の運営方針に深く関わっている。

たとえ技術が未熟だとしても、その職員を雇用したのはサービス提供事業所であり、どのように育成していくかという方針がないのであれば、事業所としての役割を認識していないことになる。サービス提供事業所の中には、利用者や来訪者の目にふれるところや、職員の目につくように、サービス提供事業所の理念、運営方針、職員の心得などを掲示して、職員の自覚を促すようにしているところもある。

 また、経験の浅い職員が早く自覚的に行動できるように、かつ、経験のある職員が惰性に流されないように職員のローテンションやチーム編成を常に工夫したり、OJTによる日常的職場研修やスーパービジョンを行っているサービス提供事業所もある。

 この事例では、介護相談員が職員の個人レベルの問題とみないで、サービス提供事業所の運営体制に目を向け、それに気がつけるように報告したことが、食事介助のことだけにとどまらない改善に結びついている。       

更新:2016.7.1