相談員が受けた相談

傾聴中心の活動で精神の安定

介護老人保健施設 / 84歳女性 / 認知症なし / 介護度2→1 / 利用期間4年8か月

【相談内容】

 脳梗塞による右半身麻痺となり車イス自操可能状態で入所。
 独居の為、退所の不安、息子の病気が心配等で涙を流されることが多い。じっくり面談してみて欲しいと施設に依頼され対応した。

【相談員の対応】

 親しく相談できる相手がなく利用者のストレスがたまったと思われる頃に(年2回程度・1時間程度)施設より依頼がありじっくり傾聴中心の面談と訪問時の声かけを心がけた。

【施設の対応】

 手芸、コーラス、外出等への参加をうながす。

【改善状況】

 リハビリ効果等で介護2から1へ改善され、自分でできることは頑張る と積極性もでた。
 息子は死亡したが涙を流してもすぐに気を取り直し前向きの言葉がでるようになった。
 コーラス・手芸等に積極的に参加。

【相談員の感想】

 施設職員も細やかな対応をされていると感心することが多かったが、長時間(30分以上)じっくり訴えを聞くことは難しく、私たち介護相談員に依頼されたケースです。
 面談後「元気が出る。良かった」と言われ、継続してきました。


解説・ポイント

 この報告は、施設が利用者の状況を的確に把握し、自分たちの業務を精査して介護相談員の協力を求めるという、介護相談員の特性を上手く活用した事例だが、どの施設においても適用することではない。

 この利用者は入所期間が4年8か月で老人保健施設の入所者としては極めて長期間の入所となっている。本来であれば他の施設への転所や自宅へ戻るのであるが、施設の判断があるのだろう。

 要介護度などからみると、一人暮らしであっても自宅での生活に復帰できるように居宅の介護支援専門員やサービス事業者と調整して対応を進めていく事例で、利用者自身の居宅生活に対する不安を軽減し、動機づけることは施設の業務である。そのための職員も配置されているのである。

 介護相談員は利用者がサービスを安心して利用できるようにする役割を持っているが、それは、施設ごとの制度上の枠を超えてということではない。それぞれの施設が制度上のそれぞれの役割を適切に発揮して利用者の自立支援を進めていくことの前提のうえにあることを忘れてはいけない。

 利用者が安心して元気になることはとても大事であるが、利用者がそのままこの施設に入所を継続することは制度上も適切なのであろうか。施設が本来の役割を果たしていけるようにすることも介護相談員として忘れてはならない。

 施設サービスのあり方について、事務局を交えて考えて欲しい。

更新:2017.2.1