相談員が受けた相談

施設の汚れが気になる

デイケア / 認知症なし / 女性 /

【相談内容】

 洗面所のちょっとした汚れがとても気になる。
 先日も食事を並べる台に、お汁がこぼれて跡が付いていたのが、気になって気になって我慢できずに職員さんに言った。

【相談員の対応】

 左側マヒの女性。
 「○○さんは綺麗好きですね。職員さんも忙しくされていて、気が付いておられないかも知れませんね。そっと教えてあげられたらきれいな施設になりますね。職員にお伝えしておきます」と話す。

【施設の対応】

 年に何回か利用者さんにアンケートをしています。
 そのアンケートに書いてありました。職員全員で気を付けるように話しました。
 利用者さんに教えられることが多々あります。

【改善状況】

 職員全体で気を付けるようになり、汚れを見つけた者が掃除しています。いつも利用者さんに気持ち良く使用していただけていると思います。

【相談員の感想】

 利用者さんの思いが、職員さんに届いて良かったです。年に何回かのアンケートも良い方法だと思いました。直接職員さんに要望を伝えられない利用者さんにとって有効であると思われます。


解説・ポイント

 施設内の清潔は介護サービスにとって大切にしなければならないことである。入浴など利用者の「身体清潔」に対しては細かく言っていても、施設の清掃が行き届いていなかったり、まして、食卓などが汚れたままであれば、適切にサービスが提供されているとは言いにくくなってしまう。この事例では、介護相談員が利用者意向を尊重しながら、かつ、よりよい介護サービスは利用者とサービス提供者相互で創りあげていけるようにと配慮した対応は、両者にとって良好な関係を築くものであったと言える。
 ところで、この事例をもう一歩踏み込んで考えてみると、利用者が求めていることが介護サービス計画にも関わってくる内容であることを感じさせる。利用者は食事を載せる台の汚れが気になっていただけだろうか。もちろん、きれい好きであれば気になることは当然であるが、自分自身の現状に対する気持ちが表現されていないだろうか。介護サービスを「受ける」だけの状況に対して、自分自身の現状を少しでも改善していきたい、何らかの行動によって自分の新たな目標を見つけようとしていないだろうか。もし、そうであれば、配膳の手伝いなどをしていただくことにより、あらたな意欲が芽生えてくることにつながらないだろうか。このように考えてみることは、利用者の生活改善の視点を職員が持つということである。
 施設職員が、「お世話してあげなければ」という発想から、単に利用者の直接的な要望を聞くだけでなく、利用者の自立・自律について一人ひとりの状況にあった支援のあり方を考えるきっかけとしていくことも大切なことである。

更新:2016.3.1