相談員が受けた相談

機械的な介護の印象がある

特別養護老人ホーム / 相談員の観察

【相談内容】

 車イス介助で、移動する時、全体的に利用者への声かけや説明が行われず、機械的な介護の印象がある。
 例:食後の口腔ケアのために洗面所や自室に戻る時、何らかの声かけがあった方が利用者にわかり易いのでは?と感じた

【相談員の対応】

 施設長と介護相談員との協議の時、上記を伝える。

【施設の対応】

 施設長、介護士長より、「一介護者だけでなく、職員全員が行われなければならないと、以前から施設全体の課題にあげていた。改善に取り組む」と返答あり。

【改善状況】

(19日後の)2回目の訪問時には、改善されていた。
 ・利用者の返事や反応の有無にかかわらず、次の介助前にはかならずアイコンタクト・ジェスチャー・説明・声かけが自然な形で行われていた。                       
 ・利用者本人・家族にとっても大切にしてもらっているという満足感につながった。

【相談員の感想】

 介護相談員の気付きを、「施設全体で改善に取り組む」と受け止めて下さった施設長の前向きな姿勢が結果として表れた。
 今回、声を発しない利用者を尊重していく場面につながり、介護相談員の発信・役割遂行の重要さを感じとった。


解説・ポイント

 この事例は、介護相談員の観察の結果により、職員の対応に改善が見られたものである。この報告から考えられることは、第一に、介護相談員が利用者の状況に対する介護職員の行動全体をよく観察していたことが、声を発しない利用者の尊重の具体的行動につながっていった。

 第二に、サービス提供事業者の施設長が施設全体の問題としてとらえる姿勢が、介護相談員の役割を理解して適切に役立てているということである。

 介護サービスは人が行うもの故に、ややもすると職員個人の資質や技術に矮小化されやすく、施設全体の体制や職員教育に目が行きにくくなりやすいが、施設長など運営や経営の責任者が自己点検する姿勢をもっていると、組織的対応がとりやすくなる。その場合、介護相談員の存在はサービス提供事業者の自己点検を検証する役割を発揮でき、よりよいサービス利用提供関係を築く支えとなる。

 この事例は、よい条件に恵まれたことはあるが、介護相談員が職員個人の問題にしなかったこと、施設全体の体制に目を向けていたこと、そして何よりも、利用者の視線で観察していたことがよい結果をもたらしていったと見ることができる。

更新:2016.7.1