「朝食のため順番で職員が入所者を食堂に移動させられるが、朝7時から1時間位食堂でじっと待つのが辛い」
リウマチ、左右大腿骨骨折手術後で車イス生活のため、長時間待つのは大変辛い。
面談で入居者さんが訴えられた事を担当係長に報告して、調査をし、改善を依頼する。
調査をして改善したいとの回答
早速調査をされ、対応、改善されていた
(移動順番の調整による、待ち時間の短縮)
単に相談者のみの問題ではなく、入所者全体の問題と捉えるべきと反省。
しかし、相談者が私たち相談員を信頼して話して下さったので改善につながった事は良かったと感じた。
今後も信頼される相談員になれる様努力したい。
入所施設においては、職員の勤務体制などから食事時間が設定されることが見受けられる。
例えば、夜勤担当職員が朝食まで担当するとか、夕食は日勤の人が担当するなどのシフトを組んでいる施設もある。入居している利用者本人を主体に考えて食事時間を設定している施設もあるが、職員の勤務が手薄になるときは、食事の献立にも配慮しなければ介護態勢をとりにくいと思っている施設もある。
この事例を考えると、「朝7時から1時間位食堂で」待っていることから、職員数の手薄な時間帯に朝食時間が設定されていると推定される。そうすると、配膳などのこともあり、職員の介助がなくても待たせておけると判断されている入居者をいち早く食堂に連れて行くことが考えられる。このような施設の場合、夕食時間なども職員の事情により設定されていると推定される。
介護相談員の報告により、移動順番の調整による待ち時間の短縮がされたということであるが、これは「入居者の待ち時間が公平になるように」という施設の誤った視点での対応であり、入居者にとっての食事ということの重要性を考えた結果や、入居者一人一人の状況に応じたことではないようである。そもそも「待ち時間」ということについての施設のふり返り、点検、改善のための検討がどのように行われたのであろうか。
介護相談員は、「単に相談者のみの問題ではなく、入所者全体の問題と捉えるべきと反省」と感想を述べているが、施設の介護のあり方、職員教育を含めた介護体制のあり方についての視点が必要である。また、食事だけの問題にとどまらず、入浴をはじめ入居者が一斉に、あるいは同一行動を求めるような場面における施設の対応にも共通している問題であることに留意して欲しい。