視覚障害があるため周囲の状況がわからない。
他の利用者とのコミュニケーションもとれず、一人ポツンとしているだけ。
又、手引誘導に不安がある。
当事業者のサービス主任に利用者の声として報告
視覚障害者への対応、歩行介助の障害教育を受けてもらうことを提案
事業所として、すぐに対応され、視覚障害者の日常生活上の困ることや不安について話を聞かれた後、アイマスク体験で食事、排泄、歩行介助技術講習を受講された。
身体障害者福祉センターと連絡をとり、講師派遣等積極的に動かれた。
その後、本人からは、いろいろな場面で声かけが徹底し、誘導もスムーズにしてもらえるようになった。他の利用者とも会話ができるようになり、ここに来るのが楽しくなりました。
障害のある方への対応は、障害の種類や程度によって違いがあり、その専門分野の支援技術を学ぶ機会は大切であると感じた。
介護相談員としての業務が適切に行われ、かつ事業所も介護相談員業務を理解して自分たちのサービス改善をすすめた、介護相談員活動のモデルのような内容の報告である。
視覚障害、特に高齢になってからの視覚障害の場合は、周囲の状況を把握したりすることに不安は強く、行動も萎縮しがちになる。
そのため、自ら行動制限してしまうことにもなりかねないことに、気をつけなければならない。介護という場面においては、ややもするとサービスに対する受け身と思われがちであるが、自ら行動しなければ自立支援のサービス利用ということにはつながらない。
視覚障害者と共に行動するときや行動を促すときには、言葉かけがとても大切であることは知識として持っていても、具体的にどのようにすればよいのか分からない人が多い。
介護に関わる専門職は障害についての教育は受けているとはいっても、接する機会が少ないと、具体的対応に結びつきにくいということもある。
「○時の方向にありますよ」とか「○段の階段を降りますよ」、「○メートル程度、前にまっすぐ進みますよ」などの他にも、複数人が話しかけるときなどには、「○○です」と初めに名前を名乗って位置関係なども含めて把握してもらうようにすると、誰が何を話しているか理解できるとか、いろいろあるが、大切なことは、利用者が安心して行動できるように配慮することである。
介護サービスにあたって、多職種協働・連携とか地域資源の活用ということはよくいわれるが、それぞれのサービス事業所内での自己完結で何とかできないかと考えがちになるところ、この事業所では身体障害者に関する専門機関とつながり、改善に結びつけたことはとても大切なことである。そのきっかけが介護相談員であったことは、大きな意味があったといえる。