デイサービスに週1回来ている。友達もできて楽しい。友達のAさんは週3回、Bさんは週6回来ている、自分も毎日来たい、どうすれば毎日来られるか。
介護保険制度を説明し要介護度によってサービスを受けられる1ヵ月の限度額が決まっていること等を話し聞かせる。
本人と話し合い、今のところ、週1回のデイサービスで納得
相談員の活動報告書により相談内容を把握。
本人は介護保険制度を理解し、週1回のデイサービスを楽しんでいる。
一般に介護保険制度内容について知られていないし、関心が薄い。行政はもっと介護保険制度の内容についてPRが必要。
介護保険によるデイサービス利用では、ケアプラン(居宅介護サービス計画)に基づかなければならない。デイサービス事業者が利用回数を決めるのではなく、ケアマネジメントによる検討や調整が必要である。この事例については2つの点で考えて欲しいことがある。
1つ目は、介護相談員が直接に利用限度額などについて話していることである。利用回数と利用限度額は直接関係しているわけではなく、利用回数も利用者の状態によるものだけではない。相談者が予断を持つと、却って理解を妨げることになりかねない。
利用回数については担当の介護支援専門員(ケアマネジャー 以下同)からどのように説明を受けているのか、デイサービス事業者から利用にあたってどのように説明を受けているのかなどの確認はしても、それ以上の制度利用の内容については、介護相談員が知識を十分持っていたとしても慎重に対応して欲しい。
2つ目は、介護保険によるデイサービスなどの利用にあたっては、ケアマネジャーによるケアマネジメントかセルフプランによる調整、確認が前提になっていることである。
介護保険制度を利用者本人に理解させたり、現行の利用回数を納得させるとか、デイサービス事業者が利用者に説明すれば良いというのではない。ケアカンファレンス(サービス担当者会議)やケアプランでのサービス指示がどのような判断のもとにされているのかなど、ケアマネジメントの基本に関係してくるものでもある。
利用者の希望、要望がどのように判断されているのか、その上で、デイサービス利用の回数や内容が適切に対応しているかということになる。ケアマネジャーやデイサービス事業者が利用者の自立支援のためにどのように考えているかということは、とても重要なことである。
このことは、利用者の制度理解ではなく、ケアマネジャーやサービス事業者が適正に運営しているかというところにある。
この事例のような場合、市町村事務局はケアプランが利用者にきちんと理解されているのか、デイサービス事業者が利用者へサービス内容を適確に伝えているのかという視点と共に、ケアマネジャーとサービス事業者が利用者のニーズをどのように判断してプランに反映させているのかというところに目を向け、ケアプランチェックや介護サービス指導等を担当する部署へ情報提供するなどの連携が必要であろう。事務局として、デイサービス事業者に対して、ケアマネジャーとのカンファレンスやケアプランの内容に関しての調整をどのようにしているかということへの視点も持って欲しい。