入所間もない時、少し注文的なことを依頼すると、「そのようなことを言われるなら、いつでも他施設へ行ってください」「入院期間が長引く場合は、他の病院へ行くことを考えて欲しい」などといわれ、優しい言葉や、不安を解消する言葉が無い
また、大便をしているため、ヘルパーへオムツ替えをお願いすると、決まった時間に交換していると言い、交換してもらえない。
二日に一度見舞いに来ているが、満足する対応がまったくない。
すぐに他の施設に移ることは困難であり、いじめられると困るので、施設の対応に我慢している。
ご家族の話を傾聴し、何度も相談にのり、市の事務局へ家族からの相談(訴え)の事実をそのまま伝える。
介護相談員の話を聞こうとする対応ではなく、「施設と利用者の問題に口を挟まないで欲しい」や「家族とは個人的に話をしないで欲しい」など、介護相談員を喜んで迎えてくださっていないのが、態度でわかる。
(市の事務局から提出された事業所への報告書が、施設職員全体に知らされているのか疑問である)
2年間事業所へ通っているが、ヘルパーの人員不足、質の問題からか、解決には至らず、改善されている様子はない。
利用者の方が明るく楽しく過ごしてもらうには、介護相談員としてどうすればいいのか悩んでいる。
入所型施設では依然として介護サービスを受動的にとらえている利用者と、利用者本人に何かをしてもらう(何かをさせる)というのはお世話していない(介護していない)ことと思っているサービス担当職員が多いのではないかと思わせるようなできごとがある。
家族の中には施設が「入居利用者の自立・自律支援をすすめている場合」に、施設職員が利用者に何も介護していないと思ったり、自分が十分介護できないことを理由に過剰な介護を求めたりする場合もある。
また、施設職員の介護の知識や技術が不十分であったり、運営体制が不十分のため、不適切な介護や対応をしている場合もある。このような現状であればあるほど、介護をめぐるそのような状況を改善し、利用者自身も当事者意識を持って介護サービスを利用していけるようにするためにも、介護相談員の活動が大切になってくる。
ところで、この事例は複数の人から寄せられた相談なのであろうか。特定個人の場合と複数の人からの場合では相談の背景が異なることが多い。また、職員の対応についても特定職員の場合と複数職員の場合では異なる。特定個人の相談者からの場合であれば、その家族と利用者の関係、介護に対する認識なども大きく関係してくる。複数の相談者からであれば、共通の背景が横たわっていることが考えられる。
施設の応待でも施設長など管理運営責任者の場合とフロア責任者レベルの場合では問題の扱いが異なる。施設のすべての職員が同じような対応しているのか、同じフロアの職員全体のことなのか、それとも特定職員の問題なのかは、同じテーマについての質問に対する回答や行動を観察すれば概ね把握できるだろう。
報告書の内容を事務局が施設に提示しているか、施設が職員全体に周知しているかなども、それらによって把握することができるだろう。