本棚の本が取りづらい

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施設の環境 / 老健 / 相談員の観察

【相談内容】

施設に本棚が設置されていたが、車椅子利用者が手に取ることができない上の方まで本が積み上げてあった。また、設置場所も暗く、利用しにくい状態であった。
利用者にも確認すると、暗くて見えにくい、手が届かないので利用できない、との訴えがあった。

【相談員の対応】

施設職員に車椅子利用者が利用できない、設置場所が暗くて本が見えにくいことを伝える。

【事業者の対応】

施設職員や利用者家族から本が寄贈されるが、整理する時間がなく、無造作に本棚においてしまっていた。
今後、設置場所を変えて利用しやすいようにしたい。

【改善状況】

本棚の設置場所が、利用者の集まるフロアの明るい場所に変更され、縦長であった本棚を横に長くし、車椅子の利用者にも取りやすく工夫してあった。

【相談員の感想】

相談員の気づきにすぐに対応してもらい、報告して良かったと思った。
利用者から「本を読む気になった。」との声に励まされた。

解説・ポイント

日中活動で本を読めることは、利用者にとって大切なことです。最近では本を読む人が少なくなっていると言われるが、ページをめくりながらの読書は、毎日の生活に少なからずの潤いをもたらすものでもある。職員がもってきた週刊誌などを置いている施設もあれば、文学や小説などの本を置いている施設、また、移動図書館などを活用している施設など、利用者の日中活動などに対する施設の理解や本に対する認識の差などもあるが、読書の機会などは施設の介護方針、介護サービス内容にも関係している。数年前の週刊誌が置いてある施設だと、日頃の施設生活を垣間見ているようである。
「どうせ読まないだろう」とか飾り物の一部のようにするのではなく、せっかくある本を活かすことは、利用者の施設生活にとって新たな動機づけになることもある。車いす使用者であってもとりやすい高さであったり、どこにどのような本があるか一覧できるなど配慮がある施設であれば、サービス内容や職員の姿勢も一人ひとりの利用者に向いていると思えるような受け止め方ができる。
この事例では、介護相談員が気づいたことで施設の利用者への配慮の気づきとなっただけでなく、利用者の意欲を高めるきっかけになったことを高く評価する。

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