公衆電話を置いてほしい

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60歳代男性 / 要介護3 / 車いす使用 / 療養型施設(入所9ヵ月)

【相談内容】

電話をかけたいとき、職員に頼めば施設の電話でかけてくれるが、他人に聞かれたくない話もあるので、ぜひ、公衆電話を設置してほしい。これまでも職員に何度か要望したが、設置されなかった。

【相談員の対応】

相談者の要望を施設側に伝え、事務局にも報告した。

【施設の対応】

迅速に対応してくれた。

【事務局の対応】

施設側と電話で相談のうえ、公衆電話の設置について依頼した。

【改善状況】

相談者の要望どおり、施設内のフロアに公衆電話が設置された。

【相談員の感想】

その後の訪問時に相談者より「家族の声を聞けるようになり、よかった」と言われ、日常生活の支援ができてよかったと思う。施設には設置に対するお礼を、事務局には相談者の喜びの声を伝えた。

解説・ポイント

携帯電話の普及により、公衆電話はのきなみ撤去・縮小される傾向にある。すでに設置されていた公共施設内の公衆電話さえ、利用頻度の低いものは撤去されつつある現在、施設内の公衆電話設置は抑制され、設置できたとしてもピンク電話にならざるをえない。

おそらく、この施設に設置されたのもピンク電話と思われるが、ピンク電話はテレホンカードが使えないため、手足に麻痺があったり車いすを使っている利用者には使いにくい。

ただし、この事例では、個人のプライバシー保護という観点から「公衆電話を置いてほしい」という利用者の要望を受けて、施設が前向きな対応をしており、その点は評価してよい。

今後、この施設でピンク電話は使いにくいという苦情が出てきたり、あるいは、公衆電話が設置できない施設の場合は、一定のルールを決めて、携帯電話やPHSの使用を認めることも検討すべきだろう。

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