(家族より
納涼会の行事に参加させるため、ヘルパーが車いすに移そうとしたので、家族から寝たきりで言葉もでない者を無理に起こす必要はないと抗議があった。
当日は納涼会で多忙のため、後日施設に伝えると家族に約束。さらに、「寝たきりにさせない、食事は口から摂る」が施設の方針だと伝え、施設との話し合いをすすめた。
利用者は食べ物を飲み込むことができないが、4人がかりで時間をかけ、口から食べさせている。話はできなくても、ある程度のコミュニケーションができるので、車いすでほかの利用者と行動をともにしている。
その後も、施設では「利用者を離床させる、笑顔の続く対話を努力する」ことを介護の重点目標に揚げている。
サービス事業者の介護サービス方針が、家族に理解されないことがある。家族の認識や姿勢の問題もある。理解されないからといって、事業者の基本姿勢を変えることはない。
そこで、事業者は家族に介護サービスの方針を伝え、理解を得るかが大切となる。入所の際の説明方法にも問題があるが、広報誌や家族会などを利用して、施設の現状を発信することも必要だ。
しかし、いくら説明しても、何もしないことを求める家族がいる。利用者の望ましい生活を家族が認めないときには、どのように対応するかを考えると、介護についての問題を広く市民にも理解を広げていく活動が必要になってくる。