風呂に入るのがつらい。シャワーだけならいいが、湯船につかると、夜、足が痛くて眠れない。職員には言いづらい。
職員に入浴担当者に伝えて欲しいと頼んだ。次に訪問したときも、まだ伝わっていないと聞き、再度伝えた。
対処する。
1か月後、相談者が足のむくみが取れ、痛くなくなったという。ところが、「もう施設には何もいわないで、話を聞いてもらうだけでいいよ、怖いから」という。
相談者は、利用者の訴えをどのように取り上げ、どのように施設に伝えたのだろうか。
相談を受けた利用者から、「もう施設には何も言わないで」と言われたら、介護相談員として役割を果たすどころか、かえって利用者に不利益な状態をつくったことになる。
利用者がなぜ職員に言えないのかをきちんと理解し、背景や施設の状況を考えたうえで、サービス事業者への伝達の仕方を工夫しなければならない。
本来、利用者が直接言えばすむことであっても、事業者に言えないのにはそれなりの理由がある。利用者の遠慮かもしれない。職員の対応の問題かもしれない。
いろいろな理由が考えられることを、利用者の話のなかから整理し、利用者自身で言わなければならないこと、介護相談員が伝えたほうがよいこと、事務局が伝えること、市町村が行うべきことを整理したうえで、利用者にとって最善の方法をとらなければならない。