2年前まで、編み物の先生がボランティアできてくれて、とても楽しかった。その際、毛糸をたくさん買った。編み物をしたいので、先生にもう一度きてもらえないだろうか。
編み物はやってもいいのか、喘息に影響はないのか、編み物のボランティアの先生はいないのか、施設長に相談した。
編み物はからだに影響ない。以前、編み物をしていたときは、同室の人が毎日面倒をみて、編み終えることができたが、その人も亡くなり、先生も毎日はこられないというのでやめてしまった。新しい先生もみつからず、むずかしいのでいまはやっていない。
利用者は花が好きなので、庭にチューリップを植えて育てている。編み物以外で楽しめるように考えてすすめた。
相談員が、利用者の希望を実現するためには何が必要なのか、どのような条件を満たさなければならないのかを考えながらサービス提供者に伝えたことに意義がある。一人の希望を実現させるために、どれだけの配慮があったのかを知らない利用者もいる。趣味といっても、誰かに教えてもらうなど他人の力が必要なときは、協力者の存在が不可欠だ。
施設で趣味活動を行う場合、これらのことを理解しなければならない。だが、利用者に理解を求めると、自分は制限されていると受けとりかねない。そのため、事業者は趣味活動ができない理由を、利用者に伝えにくい。だが、利用者が自分の範囲で趣味を実現させることも重要だ。相談員は、よき「話し相手、理解者」として、利用者にアドバイスをしていこう。