車いすの具合が悪く、施設に伝えたら、タイヤを替えてくれた。それでも自分には重く、手が痛かったので再度訴えたら、「体重が重くなったのだからがまんしなさい」といわれた。すべてがそういう対応だから施設を替わりたい。
車いすのことだけ施設に伝えた。
車いすが重いのは、車いす自体が悪いのではなく、利用者の体力の衰えが原因である。最新式の軽い車いすに替えようとしたが、本人が拒否したためそのままになった。本人が気に入る車いすがあれば、いつでも対応する。
利用者の自己決定はもっとも尊重されるべきだが、判断のための適切な情報提供は、身近にいる職員が行うべきである。利用者が求めているものは何かを、職員が把握しようとする姿勢が重要だが、気づかないときには相談員が伝えなくてはならない。
車いすの問題は、きっかけにすぎない。車いすの件だけを伝えても、その背景や利用者の思いを知らなければ根本的な解決にはつながらない。相談員はサービス事業者に根本的な解決を考えてもらえるように、利用者の思いや不満の背景を上手に提示したい。
また、「施設を替わりたい」と訴えているが、利用者はどのような解決を望んでいるのか、どのような状態になればよいと思っているのかを、相談員はきちんと受けとめよう。相談員は、表面的なことだけを事業者に伝えれば、代弁的機能を果たしたということにはならない。それだけでは利用者の問題は解決せず、かえって不満が大きくなり、相談員に対しても不満が生じることになる。