「トイレで便を済ませたら、お湯で拭くからコールして」という職員と「自分でできるのにいちいち押さないで」という人がいる。名前を伏せて相談してほしい。
職員に報告する。
自立を促す意味でいったのかもしれないが、調べてみる。
利用者は、「その後、毎回拭いてもらっています」と満足気な笑顔だった。
一人の利用者に対して職員の対応がまちまちなのは、利用者の不安をつのらせることになる。利用者の目標を職員が共有することで、利用者の自立支援につながる。だから、利用者ごとのサービス計画をたてて実行しなければならない。
職員の対応がそれぞれ異なるというのは、目標とそれを実現するための方法が、明示されていない、共有されていないことを意味している。すると、利用者自身が自分の生活目標をつくれなくなり、介護サービスの目的が理解されなくなる。
相談員は、排泄介助というもっとも基本的なサービスをとおして、単に利用者の表面的な希望を満たすことに終わらないようにみることが大切だ。