手足が不自由なため、スプーンを手にしばりつけて食事している。副食は全部一つの器に混ぜ合わされているので、食事を楽しめない。
自分で希望、要望を伝えることをアドバイスする。一方、報告書に記載する。
施設の責任者が報告書を読んだらしく、次回の訪問時の責任者の対応が厳しくなった。食事は食べやすいようにしてあると回答。
サービス事業者は「利用者に配慮した介護サービス」が行われなければならないのだが、どうやら職員の「保護・管理」状況下でサービスが行われているようだ。事業者が利用者に「してあげている」状態では、利用者の生活を高めていくサービスにはならない。
副食を混ぜ合わせると食べやすいだろうか。スプーンを手に固定すると食べやすいだろうか。どれも介助する職員が「食べさせる」のに都合がいいだけだろう。
これらは、利用者の生活や介護サービスの目的と目標を理解していない行為である。対等な関係は、介護サービスの目的を正しく認識し、実行することから始まる。「してあげている」のではなく、利用者の生活目標を実現させるためには何が必要かを考え、必要なサービスを提供するのが事業者の役割だ。それを得るために利用者は事業者と「契約」しているのだ。
これは、職員の質という問題で済まされる内容ではない。施設全体の姿勢をみることが大切である。