ごはんを食べている最中に服薬させられるので、ごはんがおいしくない。
服薬介助をしている看護職員に、食事の最中の服用に問題はないのか確認する。
確実に薬を服用させるためである。一応嚥下を確認しているので問題はない。
この事例の問題は、サービス事業者の介助方法が、利用者の食事の楽しみや生活の質を配慮していないことである。利用者の訴えは、服薬の必要性を否定しているのではなく、その方法を問題にしている。薬の味によって食事の味が損なわれ、利用者の食事への楽しみを奪っていることを、事業者は認識していない。また、相談員は、利用者の意向がどこにあるのかを認識してから事業者に伝えるべきである。
利用者が服薬を拒否しているのならば、服薬方法の工夫が必要だが、事例の場合では、食後になぜ服薬介助できないのかを考えなければならない。
これは訴えのあった利用者だけの問題ではないので、服薬管理などについて事業者に確認しよう。
服薬させることのみが重要という事業者の姿勢は、食事だけなく、ほかの場面でも利用者の気持ちや生活の質を、配慮していないかもしれない。そこで、事業者との話し合い、ほかの事業者の服薬介助方法の確認、管内の事業者との連絡会などで検討事項として提案するなどの取り組みが必要となる。