車イスに腰を紐でしばりつけている利用者がいることに気が付いた
これは身体拘束に当たると施設に説明
以前から利用者の妻が、座る所が狭いので落ちたら困ると思いしばりつけていた。このままの方が本人も慣れているのでその様にしている。
介護サービス相談員は施設に対してそこまで言う権限があるのかと、事業者から事務局へ苦情の電話があった。
相談活動時の事情について介護サービス相談員へ問合せがあった。
しばらくして定期訪問すると車イスの業者が来られていて本人にあった車イスを注文しておられた。
紐が取れ、座る所も広くなって楽になり、安心した様子で自分で車イスを移動していらした。
その人を見るたびに勇気を出して言って良かったと思っています。
身体拘束している事業者がいう理由は、不用意な立ち上がりによる転倒の危険回避のためとか、本人がずり落ちたりすることを不安がるのでということがとても多い。転倒による危険回避などの理由は事業者側の都合によるものに他ならないし、日常的に利用者を放置していて、自立支援の視点で適切に介護をしていない現れともいえる。また、利用者が不安がるという理由も、今まで適切に介護してこなかった結果ということに他ならない。自宅で介護者が十分対応できないからということで拘束することも不適切であるが、特別養護老人ホーム入所後も何ら対応してこなかったということは、あってはならないことである。
身体拘束にあたると説明した介護サービス相談員への対応は現在でもこのようなことをいう事業者があるのかと驚きであるが、結果的に利用者に対するサービス改善となったことは、介護サービス相談員の取り組みの成果といえる。また、事務局が的確に対応したということでもある。
介護サービス相談員の活動や身体拘束への取り組みの理解は、市町村が積極的に進めていかなければならないことである。この事例をきっかけに、さらに望ましい活動へと展開して欲しい。