トイレットペーパーが片手でちぎれない。ひっぱって切ろうとすると、くるくる回ってしまう。左手でひっぱって切れるものにしてほしい。
トイレを見てみると、ペーパーホルダーのカバーが軽く、手で押さえて引きちぎらないとうまく切れない。相談者は右手が使えないので、ペーパーホルダーの位置を反対側にして、カバーを重く、ちぎりやすいものに交換してもらうよう施設に伝える。相談者が部屋にトイレットペーパーをたくさん用意しているのを見て、なぜそうしているのか職員は疑問に思わないのかと不思議でしかたがなかった。
生活相談員に指示して、すぐに左手で切れるものに取り換え、位置も修正した。
すべてのトイレを改善したわけではないので、その後、他の利用者がどのように対応しているのか様子を聞いている。また、改善したトイレが混むと聞いたので、他のトイレについても同様の修正を行うよう依頼している。20年も経過している施設なので設備は古いが、気づいた点はすぐ改善してもらえるのでやりがいがある。
相談員の対応に「なぜ、そうしてるのか職員は疑問に思わないのかと不思議でしかたがなかった」とあるが、これは率直な感想だろう。このように職員が気づかなかった問題点をすくい上げていくのが相談員の役割であり、それを施設に伝えたことによって改善につながったという意味で評価に値する。
相談員の感想にもあるが、この施設は、施設の古さなどハード面の問題を抱えてはいるものの、こうして利用者の要望に一つひとつ対応していくことによって少しずつ改善されていくのではないかと思われる。