手足がリウマチで固まって自由に動かせないので、トイレを使ったあとの始末がうまくできない。ペーパーも上手に切れないし、水も流せないので悩んでいる。
相談者は、最初、「こんな話をしてもどうにもならない」とためらっていたが、「一人で悩まないで。少しは改善されるかもしれないから」と話を聞き出した。施設に要望を伝える。
「一緒に生活していると気づかないことがあるんですね」と、さっそく検討してくれるとの返答。
早急にリフォーム工事を行い、まったく手を使わずに用が足せるトイレに変わった。改善後に訪問すると、相談者からニコニコとうれしそうな顔で礼を言われた。
この事例は、そもそも利用者と施設が、直接、確認し合っていれば解決できた問題である。
相談員が間に入ってコミュニケーションの仲立ちをすることにより、利用者の本意が確認され、あらためて互いの気持ちのズレが解消されたという意味では、相談員の本領が発揮された事例といえよう。