入浴中や寝ているときに、盗難にあいモノがなくなる。
部屋にいることが多いということで、(?)妄想かもしれないし、しっかりしているようにみえるので本当とも思える。盗難に対する不安や不信感があり、部屋から出たくないようにも思えるが、施設に相談内容を伝えた。
まわりの人がイヤな気分になるため、原因を突きとめることはむずかしい。
姪に相談して買った金庫を押し入れに収納していたが、ダイヤルを回した跡があると、不信感がより募ったのか、違う施設に移った。
認知症があるとはいえ、話の内容が具体的であるため、どれが本当かがわからなかった。退所までして、その後に移った施設で問題がなければ、相談は本当だった可能性も・・・・・・
(?)
相談員としては、利用者が認知症であろうとなかろうと、その不安に向き合って、どうすれば不安を解消することができるかを一緒に考えることが大切である。同様に施設に対しても、どのような対応をすれば相談者が安心できるのかという視点から問題を投げかけるようにしたい。
そのためにも、相談員の感想にあるような「認知症があるとはいえ、話の内容が具体的であるため・・・・・・」といった認知症への誤解を排し、正しい理解にもとづいた対応が望まれる。
結果的に施設がこの相談の本質を「犯人さがし」ととらえてしまったことにより、「原因を突きとめることはむずかしい」という対応ともいえないような対応に終わってしまった。ここで施設に必要なことは、「犯人さがし」ではなく、「どうしたら物が盗まれないようになるだろうね?」と相談者と一緒に考える姿勢である。