左前頭部に疼痛があるため、夜、睡眠がとれない。とてもつらい。同敷地内にある病院で診察を受けているが、よくならない。医師に話をしても取り合ってくれない。脳の写真でも撮って、原因を確かめてほしい。
認知症の症状もなく、しっかりした相談者だったので、弁護士・施設長・医師のいずれか話しやすい人に相談し、専門医に受診したい旨をはっきり伝えるようすすめた。
本人が直接、施設に要望を伝え、施設長と家族が同行して専門医を受診。脳内に大量の水がたまっていることがわかった。水をとることで、頭痛もなくなり、いつも目から出ていた涙も出なくなった。相談者も、とても楽になったと喜んでいた。
この事例では、本人が直接施設に要望を伝えたこと、それに対し家族もきちんと対応したことがひとつのポイントとなっている。それ以上に、介護サービス相談員の対応が的確だったといえる。
もし介護サービス相談員が、「どうして受診させなのですか!」といった強い口調で施設側を責め立てたとしたら、すでに隣接する病院で治療を受けていることもあり、専門医を受診させることについて、施設側はかたくなな態度をとったかもしれない。
その点、この介護サービス相談員は、施設のなかで「いずれか話しやすい人に相談し、受診したい旨をはっきり伝えるよう」アドバイスしている。そのため、本人が直接施設に訴え、施設もその要望に迅速に対応できた良い例である。