最近、血圧が高いうえ、持病の神経痛が出て腰痛などがひどい。寝ている時間が長いので、寝たきりにならないか心配だ。ときには外に出て、陽光にあたりたい。
具体的な病状がわからないので、相談者の了解を得て名前を出し、施設に要望を伝えた。
体温、脈拍、血圧などが不安定なため、いまは外に出て陽光に当たらせる状態ではない。寝たきりにならないよう、職員が付き添って、10分程度歩く時間を設けている。
現在は、下肢筋力の低下予防のため、体調のよい日は車いすでの移動を試みており、順調である。
介護サービスにおける予防的視点の重要性考えるべき問題である。
本来、介護サービスのなかには、つねに予防的な視点が必要である。予防的な対応をなおざりにしている施設は問題であるといわざるをえない。
高齢者は往々にして、機械を使ったリハビリやマッサージをしてもらうと、それで満足してしまう傾向がある。本来の予防的視点からいえば、利用者自身が日常生活のなかでどうリハビリを進めていくかという、「生活リハビリ」に関心をもたせるような対応が必要である。
そのためには、PT(理学療法士)やOT(作業療法士)を講師に招き、利用者全員に対して日常的な行動(日中行動)がどのようにリハビリに役立つかを説明してもらうのもよいだろう。
そうして利用者みずからが積極的に身体を動かすような動機づけを行い、日中活動を推進することが施設の役割である。一方、それを利用する側も自分の要望をきちんと伝えていくなど、賢い利用者にならなければならない。
介護サービス相談員は、施設と利用者の双方に対して適切な情報提供(生活プログラムに積極的に取り組んでいる先進事例の紹介など)を行っていくことが必要である。