なにか遊ぶことを考えてほしい

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女性、要介護度3、老健 入所6ヵ月

【相談内容】

女性はいくつかのグループに分かれて話をすることが多いが、男性は車いすに乗ったまま眠っている人が多い。なにか遊ぶことを考えてほしい。(相談者は施設のリーダー的な存在)

【相談員の対応】

要望は施設に伝えるが、(?)ボランティアの協力がないと実現は難しいと説明する。

【施設の対応】

毎日、体操のあとにコーラスをやっているが、別のメニューも検討する。

【事務局の対応】

定例介護サービス相談員会議で説明し、各施設共通の問題として考えることにした。

【改善状況】

4カ月後に若い女性ヘルパーの発案で全員参加の俳句の会を開いた。ボランティアセンターの俳句指導員の協力を得て実現した。

【相談員の感想】

施設職員は日常的に利用者の介助で忙しく、行事の企画・立案まで考えが及ばないことが多い。行事の企画・準備・実行を担うボランティアが必要だと思う。

解説・ポイント

(?)
介護サービス相談員の「ボランティアの協力がないと実現は難しい」とういう発言には問題がある。
施設が現在の限られた人員・環境のなかで、日中活動の改善・推進にどう取り組むかが大切なのであって、安易にボランティアに依存することは好ましくない。
利用者一人ひとりにとってどのような日中活動が必要かは、施設が主体的、計画的に考えていくべきことであり、ボランティアなどが勝手に実施することは本末転倒である。
なお、一般にボランティアを安価な労働力とみなしがちだが、その点にも気をつけたい。

この事例は、施設利用者にとって、日中活動がいかに重要かを示している。逆にいえば、毎日何もせず一日を過ごすことが、いかに利用者の生活意欲を失わせるかということである。
相談内容に「男性は車いすに乗ったまま眠っている人が多い」とあることからも、それがよくわかる。
この問題について、「各施設共通の問題として考えることにした」という事務局の対応は評価してよい。

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