本が好きだが、ここには何もない。新聞を購読しているが、できれば本を読みたい。とくに歴史ものが読みたい。
大きな施設だが絵本が数冊あるだけで、図書コーナーはどこのフロアにもない。施設長と理事長に要望を伝えた。
読書の要望があることすら気づかなかったので対応したい。
本の寄贈を申し出たボランティア宅へ本の引き取りに出向くなど、意欲的に対応してくれた。
団らんのコーナーの一角に本棚を置き、テーブルを配置して図書コーナーができた。また、希望図書があれば購入するようになった。
施設側から徘徊が少なくなり、落ち着いた雰囲気が出てきたという報告を受けた。
利用者の知的欲求は多様であることを認識した。
この事例では、事務局が非常に意欲的に対応しているが、逆に「そこまで市町村の事務局がやらなければならないのだろうか?」と疑問を感じる人も少なくないだろう。確かに基本的にはここまでやる義務はない。ただし、この施設が図書コーナーを設置したいと思った時、図書の引き取りなどができず困っていて、事務局に相談したところ協力してくれた、という流れであれば、この事務局の対応も納得できる。特殊な事例ではあるが、結果的には利用者の徘徊を軽減することにもつながっており、その点は注目してよい。