車いす用のトイレが少ない

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70歳代 女性、老健、入所2年3カ月

【相談内容】

車いす用のトイレが少なく、とくに朝は混み合う。そのため利用者同士でどなり合いになることもつらい。

【相談員の対応】

何人かほかの利用者にも聞き、本当に困っていることを確認したうえで、施設に改善を申し入れた。

【事務局の対応】

事務局にも何度か相談したが、 「それが介護サービス相談員の仕事だから、自分たちでやって! 市としては動けない」という対応だった。

【改善状況】

その後もねばり強く話し合いを続けた結果、施設側も改善を約束。8カ月後、2階と3階と合わせて8カ所に車いす用のトイレが増設された。

【相談員の感想】

最初の訪問から継続的に出されていた要望で、トイレは切実な問題のため何とかしなくてはと身の引き締まる思いだった。

解説・ポイント

まず、「それが介護サービス相談員の役割だから自分たちでやって! 市としては動けない」という事務局の対応は介護サービス相談員派遣事業を正しく認識していないことの表れである。
介護サービス相談員は、利用者の要望・苦情等をすくい上げる作業を介護保険の保険者である行政からの委嘱を受けて行っているのであり、その情報に基づいて被保険者である利用者の生活の質を保障すべきか、どう対応すべきかを考え、行動するのが事務局(行政)の役割である。
ところが、この事務局は本来自分たちがやるべきことをあたかも介護サービス相談員の仕事であるかのうように言っている。介護サービスの実施責任はあくまで行政(市町村)であることを忘れてはならない。

何も具体的な対応をとらなかった行政に対して、施設側と粘り強く話し合いを続けた介護サービス相談員の努力は高く評価したい。

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