車いすへの移乗やトイレ移動のときなど、一部の職員の対応が悪い。乱暴な車いすの押し方をされたり、トイレで「一人で立てるでしょ!」と言われたりするので、悲しい思いがする。
車いすでの移動の様子を何回か見てみると、確かに角を曲がるとき急に回転するなど、自分が乗っていたら目が回るなと感じるときがあり、施設の生活指導主任に話そうかと思うときがあった。1年間訪問するうち、生活指導主任とある程度話し合える関係になったので、直接、相談者の要望を伝えた。
生活指導主任は、「いつも利用者の立場になって押しなさいと指導はしているが、気をつけるようにする」とのこと。
相談員の訪問時には声かけをして移動しているが、全職員が同様の気づかいをしているとは考えにくい。
施設は生活の場と職員が認識できているかどうかが、そのまま利用者へのかかわりに表れると思うので、まず、職員の意識を少しずつ改善してもらうよう話し合っていきたい。
利用者が安心して移動できる手段を確保することは、その人の生活の場を広げ、単調になりがちな生活に広がりを与えることになる。
その意味でも、車いすでの移動については対応に十分な配慮が必要であり、ただトイレまで運べばいいという問題ではない。
職員は、単なる車いすでの移動であっても、利用者にとっては施設での生活への安心感、社会生活における移動手段の確保という側面をもっていることをきちんと認識しなければならない。