職員にお金を盗まれた

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80歳代女性、特養

【相談内容】

盗難にあった(現金数万円)。盗んだのは職員のAさんだ(名指し)。

【相談員の対応】

金銭トラブルは互いにイヤな思いをするので、現金は施設に預けるよう勧める。施設には名前を伏せて伝えたが、本人から相談を受けたこともあるとのこと。

【施設の対応】

相談者といっしょに職員数名でお金を探した結果、見つかる。再度施設に預けるよう勧める。

【改善状況】

盗んだと名指しされた職員を担当からはずす 。相談者は「数万円を手元に置いておかないと落ち着かない」と施設に預けるのを拒む。

【相談員の感想】

認知症のある人への対応は非常にむずかしい面がある。

解説・ポイント

施設の対応はその場しのぎにすぎず、本質的な解決には結びついていないものである。このような事例において必要なのは、まず、利用者がどうしたら盗難に対する不安を払拭できるか、安心して生活ができるようになるかを個別的な対応のなかで考えていくことである。
例えば、利用者が「数万円を手元に置いておかないと落ち着かない」というのであれば、常識的には好ましいことではないかもしれないが、本人の望みどおりにするのもひとつの方法である。また、利用者との話し合いをとおして、もっと安心できるやり方はないかを探ることも必要だろう。
こうした問題が起こると、施設は「対応がたいへんだから退所してほしい」といった姿勢をみせることが少なくない。しかし、施設も介護相談員も忘れてはならないのは、こうした状況を抱える人だからこそ、施設サービスを利用しているということでもある。

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