2階に自分の居室があるが、災害のときに避難できるか心配している。車いすに乗っているため、非常口に手が届かない。自分で開けられないから逃げ遅れそうだ。
避難対策について、安心できる説明を利用者にしていただくよう職員に話した。
避難訓練を1か月に1度行っている。非常口は自動だから車いすでも心配はない。利用者全員にくわしい説明をする必要がある。早速実行したい。
月1回全員が集まる席で説明を行った。近くの自治会防災委員が救助活動をする契約をしており、年1回近隣の自治体防災委員も加わり避難訓練していることを話した。
災害時の安全管理は、サービス事業者にとっても重要なことである。事業者は防災体制や連絡体制の整備に心がけていても、災害時に利用者がどのように対応できるかが安全管理の鍵となる。利用者が災害時に落ち着いて対応できるようにあらゆることを想定した避難訓練を実施することは施設管理者の責務である。
安全対策への不安は、利用者個人の問題ではなく、事業者全体の問題であることを、介護相談員も事業者も認識して対応したい。
この事例では、事業者は設備の整備だけでなく、避難訓練の定期実施や地域の支援体制も整え、総合的な安全対策をすすめていたが、それでも利用者は不安だったことを理解しなければならない。どのような状況にあっても「守る」という態度を明確に示す必要がある。安全はサービスへの信頼につながっている。