デイサービスを利用している日はなにが起こっても安心していられるが、自宅ですごしている日はひとり暮らしなのでとても不安だ。とくに夜は心細い。近所の人は、「なにかあれば言ってね。すぐに行くから」と言ってくれるが、何事か起こっているときに自分で知らせることはできないので心配だ。
とりあえず安心してもらうことが大事と思い、じっくりと話を聞いた。町内の世話役である自治会長や民生委員に相談するようにすすめ、離れて暮らしている家族にも話をしておいたほうがよいと伝える。
その後、会える機会がなく、状況は確認できていない。
この事例では、介護相談員の対応として「とりあえず安心させることが大事と思い、じっくり話を聞いた」とあり、これは大事なことである。とくにメンタル面で不安定な場合、話を聞くことで安心できることも多い。この事例の場合、その後のフォローがないようだが、複数回の訪問が望ましい。
その後の具体的な支援を考えるのであれば、自治会長や民生委員といった個人レベルの支援体制につなぐことも大切だが、市町村事務局を通して、市町村(ひとり暮らしの高齢者の生活支援担当などの行政窓口)に働きかけることが重要である。このような問題は、本来、市町村が地域づくりの一環として取り組むべきものである。 なお、ひとり暮らしの高齢者向けには「緊急通報システム」等のサービスもある。