午後3時にねまきに着替えさせられる

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【相談内容】

【介護相談員による観察】

老健に入所している、車いす使用の70歳代男性。

夜になると人出(職員)が減るのでという理由から、午後3時頃にもかかわらずねまき姿になっていた。よく見ると、車いす利用者全員がねまき姿であることに気づいた。

【相談員の対応】

施設の介護相談員担当職員に、「家族が面会に来たとき、ねまき姿は異様だし、悲しく思うので、せめてねまきに着替えさせるのは5時以降にしたらどうか」と伝える。

【施設の対応】

直接、職員に確認し、会議にかけて検討するとのこと。

【改善状況】

次回訪問したら、全員洋服姿だった。介護相談員担当の職員は、相談員の指摘を素直に聞き入れ、改善していこうとする姿勢がみられた。

【相談員の感想】

担当職員の意見をよく聞き、柔軟に対応した上司の姿勢にも好感がもてた。

解説・ポイント

この事例では、介護相談員が一般市民の視点に立って、利用者の生活を見ている点が評価できる。
介護の現場では、とかくその世界独特の視点で物事をとらえがちになり、一般人としてごく当たり前の感覚を見失うことも少なくない。しかし、この介護相談員は「家族が見たらどう思うか」「一般の人ならどう感じるか」といった市民感覚を失わず、施設が気づかずにいたことを指摘した。これは介護相談員にとって、もっとも重要な視点のひとつである。
また、施設側も、介護相談員の指摘によりそれに気づき、すみやかに対応したこと。こうしたことの積み重ねが、利用者の生活の質の向上や、サービス全般の向上につながっていく。

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