車いすを使う人のほか、歩ける人も含めて数人の利用者が、窓際の長テーブルに固定され、自由に歩けない状態で毎日をすごしている。
じっとしているので尻や腰が痛いが、要求を出すと退所させられそうで言えない。
相談者の家族に「身体拘束」について説明。
「相談者や家族が納得のいくケアのあり方を求めて、施設側に話しても不都合は生じない。逆に居心地のよい場所へと変わっていくはず」とアドバイス。介護相談員から施設に改善の要求をする旨を伝えた。
施設には「明らかに身体拘束であり、早急に改善を望む」と伝えた。
窓際の長テーブルがあった場所には、ソファが置かれ、ゆったりと座ったり、横になったりできるようになった。
また、職員の目の届きやすいところに丸テーブルが置かれ、利用者同士が顔を見ながら会話しやすい空間になった。
利用者は楽な姿勢ですごせるようになったと話している。
施設のサービスは画一的になりがちなようだ。サービスを提供する側の立場や都合が優先され、本来優先されるべき個人の生活や要望を尊重することは二の次になっている。
相談員の対応は実に適切。それを受けた施設側も、拘束しないことを前提とした取り組みに切り替えたことは評価にあたいする。
一般に「職員が見守ることができないから、拘束せざるをえない」という施設が多い。そのなかで、できない理由を探すのではなく、拘束をしないための改善案を見つけようとしている点が重要である。