車いすを蹴られ、乱暴に扱われた

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80歳代女性、老健

【相談内容】

入浴時、若い女性職員に車いすを蹴られ、乱暴に扱われた。

【相談員の対応】

ほかの利用者にも同じ苦情がないか確認した結果、3人いたので担当者に報告した。職員の名前は伏せたが、施設側も把握していた。

【施設の対応】

その職員を県主催の接遇研修会に出席させた。さらに、その成果を施設にも持ち帰り、その職員が講師となって、接遇について話してもらうという処置をとった。

【改善状況】

その職員の態度に自信があふれ、少し優しい表情になり、利用者にも優しく対応しているように思える。

【相談員の感想】

この件に関しては、施設側の対応が見事だった。誰も傷つくことなく、職員の接遇向上につながり、橋渡し役の介護相談員として、本当によかったと思う。ただ、職員の優しさが本物であることを祈るばかり。

解説・ポイント

虐待の事例だが、相談員の対応もよかったし、施設の対応もよかった。
施設の対応の優れたところは、まず、その職員を県主催の接遇研修会に出席させ、気づきのチャンスを与えたことだ。頭ごなしに叱るよりも、職員自身に自分の行為の問題性を気づかせるほうがはるかに有効であることを、施設の管理者はよくわかっているのだろう。
今後は、介護相談員の感想にもあるように、その職員の接遇の改善が一時的なものに終わらないよう、注意深く見守っていくことが大切である。

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