歯医者に行きたいが、家族が同意してくれない

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90歳代女性

【相談内容】

入れ歯が合わず、会話や食事が不自由なので、歯医者に行きたいと、何度も相談がある(話している最中も、上下の入れ歯が浮いたり、はずれたりする)。

【相談員の対応】

施設に相談内容を伝え、本人が大変不自由に感じているようなので、それを家族に伝えてほしいと頼む。また、相談者には、家族の同意がないとできないことなので、本人から家族に話すようすすめるが、聞いていないふりをする。

【施設の対応】

1. 以前も家族と話し合ったが、家族はこのままでよいと言っていた。歯科医院までの送迎は施設側で行うので、家族には治療時に付き添ってもらうよう話をするとのことだったが、家族の合意が得られなかった。

2. そこで、歯科医院まで施設の看護師が付き添うことにし、あとは家族の同意を得るだけにしたが、やはり同意を得られなかった。息子の妻と娘が洗濯物を届けたりしているので、状況はわかっているはずだが、本人と家族との関係がよくないとのこと。

3. 看護師長からも家族に何度も言っているが、家族は聞き入れない。

【改善状況】

状況は変わらない。

【相談員の感想】

入れ歯が合わなくても不自由にしている様子を見ているにもかかわらず、歯科受診を同意しない家族の対応に疑問を抱いたが、これ以上どうすることもできない。施設入居者の財産の管理方法なども気になるところである。

解説・ポイント

医療を受けることについての決定・同意(承諾)は、本来は本人自身の意思によらなければならないはずである。法的には、いかなる人間も本人に代わって同意をすることはできない。介護相談員はこのことをよく認識しておく必要がある。
改善に向けてのポイントは、施設、歯科医、本人、家族、相談員がそれぞれ個別にかかわるのではなく、一堂に会して話し合い、取り組むことである。
その話し合いの場で、本人が自分の気持ちを率直に伝えることが重要であり、相談員は本人の背中を押したり、サポートすることが大切である。

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