電話をかけたいとき、職員に頼めば施設の電話でかけてくれるが、他人に聞かれたくない話もあるので、ぜひ、公衆電話を設置してほしい。これまでも職員に何度か要望したが、設置されなかった。
相談者の要望を施設に伝え、事務局にも報告した。
迅速に対応してくれた。
施設側と電話で相談のうえ、公衆電話の設置について依頼した。
相談者の要望どおり、施設内のフロアに公衆電話が設置された。
その後の訪問時に、相談者より「家族の声を聞けるようになり、よかった」と言われ、日常生活の支援ができてよかったと思う。
施設には設置に対するお礼を、事務局には相談者の喜びの声を伝えた。
携帯電話の普及により、公衆電話はのきなみ撤去・縮小される傾向にある。すでに設置されていた公共施設内の公衆電話さえ、利用頻度の低いものは撤去されつつある現在、施設内の電話設置は抑制され、設置できたとしてもピンク電話にならざるをえない。
おそらく、この施設に設置されたのもピンク電話と思われるが、ピンク電話はテレホンカードが使えないため、手足に麻痺があったり車いすを使っている利用者には使いにくい。
ただし、このような事例では、個人のプライバシー保護という観点から「公衆電話を置いてほしい」という利用者の要望を受けて、施設が前向きな対応をしており、その点は評価してよい。
今後、この施設でピンク電話は使いにくいという苦情が出てきたり、あるいは、公衆電話が設置できない施設の場合は、一定のルールを決めて、携帯電話やPHSの使用を認めることも検討すべきだろう。