廊下に面しているトイレはアコーディオンカーテンで仕切られている。車いすを使用しているため、重くて開けにくく、開けたときでも車いすにぶつかり、トイレ使用時に廊下を通る人に見られ、とても恥ずかしい。
相談者と同じ障害になったつもりでトイレに入ってみた。相談者が訴えるように、アコーディオンカーテンは使いにくく、他人に見られてしまう恥ずかしさも感じた。施設の部長と事務長に連絡。3年間、ずっと改善のお願いをしてきた。
施設側の対応を見守る。
トイレの位置を変更することは、建物の構造上むずかしい。すぐにアコーディオンカーテンをほかのものに替えることは予算の関係からできないが、利用者が使いやすいものに替えることを検討する。
3年後、アコーディオンカーテンがはずされ、使いやすいカーテンになった。とても軽く、車いすの人でも自分で開け閉めができ、トイレを使用している姿を他人に見られることはなくなった。ただ、改善されたのは、相談者がほかの施設に移ってから1年後だった。
3年がかりで、ようやく改善が実現した。たまたま施設内で人事異動があり、事務長と部長が変わった時点で、改めて改善を強く要望したことが奏功した。人事異動がなかったら、まだアコーディオンカーテンのままだったと思われる。
相談員が利用者と同じ視点でトイレに入り、問題点をはっきりさせたことは大事なことである。時間はかかったが、あきらめずずっと言い続けたことが結果につながったと思われる。