他の利用者から、覚えのない借金の返済を迫られて困っている。
まず話を聞き、施設の生活相談員に話してみるからと安心させる。施設に伝え、方策を一緒に考える。
相手(借金返済を迫る人)の家族にも事情を伝えると、認知症のため本人に「思いこみ」があることが判明。家族がお金を出し、相談者から返済があったことにして渡すということで一件落着。施設側がよく対応してくれた。
その後、2人が顔を合わせないですむように、相談者も納得のうえで部屋替えを行い、互いの居室を離したところ、トラブルもなくなった。
相談員の対応も施設の判断も的確である。相手側の家族も、事情を理解して積極的に対応してくれた、という意味でよい事例である。
利用者同士のトラブルでは、とかく訴えてきた側への対応ばかりに気を取とられ、もう一方の相手がいることを忘れがちである。その点、この事例では、本人だけでなく、相手の気持ちの安定もはかっている。それが速やかなトラブルの改善につながったと考えられる。