なにもかもなくなり困っている。昨年はマフラーが3枚もなくなった。夏物の洋服もたくさんなくなった。カシミヤの毛布も1年間持って帰られ、今年は出してもらっていない。手袋がほしいといったら、子どもが買ってきてくれたが、その手袋がない。職員が自分のものを持っていく。
施設職員に相談者の訴えを伝えた。
相談者は認知症もあるし、被害妄想が激しいので困っている。
家族が施設に来て、夏になれば冬物の洋服類を持ち帰り、入れ替えをしている。そのことを何度も話しているが、職員が盗んだといって、どうにもならない。
相談者の被害妄想が強く、改善にはいたらない。
こうした認知症の利用者、被害妄想が強い利用者の場合、話をよく聞いてあげることにより、気持が落ち着くのではないかと思う。
このような事例の場合、利用者の認知症のせいにしても、問題は改善されない。 この場合は、認知症の専門家と相談し、まず、被害妄想への具体的対応のアドバイスを受けることである。
相談員の感想に「話をよく聞いてあげることにより、気持ちが落ち着くのではないかと思う」とあるが、認知症の利用者の訴えを、親身になってまず受けとめることはとても大切である。そのうえで先に述べたように、専門家の力を借りて施設と家族が協力し、具体的な対応を考える方向に話を進めるべきだろう。