他の利用者となじめない

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有料老人ホーム / 79歳女性 / 認知症なし / 利用期間 1年1か月

【相談内容】

食堂へ行き、一緒に座る皆さんとなかなかなじめない。こちらから声がかけられない。自分は田舎者だからと落ち込まれていた。
「一ヶ月前に地方から来た。地元がいい。帰りたいと思う」とおっしゃる。

【相談員の対応】

事業所の責任者と話し合う。
 利用者は誰にも相談できず、一人で悩んでいたので、ゆっくりと聞いて事業者に伝え利用者が楽しい毎日を過ごしてもらえるようにする。

【事業者の対応】

利用者は我慢しておられ、話し合う機会はなかったので、いろいろ本音を聞いてもらって助かります。
そんなに悩んでおられるとは気がつかなかったので、すぐに改善して、楽しいと思って頂けるようにします。

【事務局の対応】

相談員と事業者の対応結果を見守る。

【改善状況】

食堂で座る場所を誰とでも話される明るい人の近くに席を替えてもらった。土いじりが利用者さんの楽しみでもあったので、屋上で土いじりを楽しまれている。

【相談員の感想】

一日も早くこの施設にいるのが楽しいと思ってもらえるようになるとうれしい。

解説・ポイント

介護相談員の役割が発揮された事例である。有料老人ホームは介護の必要な高齢者が入居している場合もあるし、自分でいろいろなことはある程度行えるが日常生活に不安な人が生活の場としていることもある。近い将来に介護の不安がある場合、家族が呼び寄せても同居することが難しいと有料老人ホームなどに入所することがある。まだ元気なうちは、要望などがあれば利用者が自分から申し出てくると思ったり、自分で解決したりすると思いがちであるが、実際は諦めたりすることも多い。

この事例は、介護相談員が利用者の気持ちを丁寧に聴き取り、事業者との橋渡しを行っている。介護相談員は何か大きな問題を解決するというのではなく、このように、些細に見えることで見落としがちになるようなことを丁寧に拾い上げていき、介護相談員が言っているように、「この施設にいるのが楽しいと思ってもらえるように」サポートしていくことで、利用者にとっても、事業者にとっても好ましい関係を築いていくところに特徴がある。

介護相談員の橋渡しによるよい事例は、この有料老人ホームの他の利用者にとっても、今後の先例となることだろう。

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