車椅子利用の入所者が車椅子にベルトで固定されている様子を見た
事業所に状況をたずね、市役所、担当者に報告
ご家族の了解を得て行っていると回答
身体拘束に該当する為、ベルトでの固定は行わないよう指導
ベルト固定をやめ、常に職員が車椅子から落ちない見守りをするとの事
職員の人員にも限りがあり常の見守りも非常に大変ではあるが身体拘束は絶対あってはならないと思う
身体拘束に関してはまだまだ多くの実態があり、該当する施設だけでなく、地域全体、国全体で取り組まなければならない課題である。
身体拘束に対して、家族の了解があるとか、家族から依頼があったなどの理由を挙げる施設があるが、そもそも介護サービスを誰のために行っているのかということを施設職員が認識していないことから生じている問題もあることを考える必要があるだろう。
利用者本人の意向ではなく、家族の意向による入所が多く、入所手続にあたっても本人の「代理」として家族に対応していることが常態化していると、施設の都合を押しつけることに躊躇いを感じなくなることもあるだろう。
また、施設が「預かっている」という発想に陥ってるならば、安易な方法に頼ってしまうこともあるだろう。利用者の生活を支えるという介護サービスの基本が見失われてしまうことが大きな問題である。
この事例では、介護相談員の対応が適切であったことで改善へとつながっていったようであるが、施設が自分たちの提供する介護サービスの役割と方法について考え直す必要があるだろう。
車いすから落ちないよう見守りをすることは重要かつ必要であるが、一人ひとりの利用者にあった車いす使用も介護サービスとして必要なことである。