入所者の家族より、介護保険制度の改正内容について質問を受けた。
施設入所の際の審査や利用者の減免制度についての情報を知りたい。
施設訪問後、市の長寿福祉課の担当職員に伝えた。
長寿福祉課の担当職員から、後日電話で家族に回答することとなった。
相談者の夫も健康に不安を抱えている。
平成18年からの入所により経済的負担が大きい。日常の生活面を工夫し、節約している様子がうかがえた。
介護相談員が行政の担当職員に伝えて一定の成果があったように見える事例であるが、考えなければならないことがいくつかある。介護相談員が入居している利用者だけでなく家族の相談にも応じることは、利用者の生活の向上からも大切であるので、家族への対応は必要だろう。
この事例の施設は老人保健施設だが、他の入所・入居型施設にもあてはまることもあるだろう。介護保険制度改正内容については行政による適切な説明が必要であることはいうまでもないが、施設におけるサービスに関わることであるため、施設職員や管理者が利用者や家族への適切な説明をすることなどは不可欠である。
契約書や重要事項説明書に関係してくることに対して説明を求めることは、サービス利用提供関係においては前提となることでもある。特に費用負担に関することは、重要である。
また、契約書等に直接関わることではない場合でも、利用者が安心してサービスを利用するために制度内容などの説明は重要である。
介護相談員は行政職員に伝えればよいというのではなく、事務局も含めて施設サービスのあり方という視点で問題意識を共有することが求められる。入所にあたっての審査や費用負担なども含めて、相談がある都度に個別に対応すればよいということではない。
この事例において少し気になることを付記すると、利用期間が7年以上にもなっており、老人保健施設の利用の仕方についても検討が必要と思われる。特別養護老人ホームなど他施設入所に関して、何か事情があるのではないか懸念される。