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介護サービス相談・地域づくり連絡会

刻み食は味気ない

刻み食は味気ない
老健 / 85歳 / 女性 / 認知症なし / 利用期間 9ヵ月

【相談内容】

歯が悪いため、出される食事が刻み食になっている。何が刻みになっているのかわからず、前の席の人の食事を見て、楽しむ程度。歯が悪いので諦めているが、現在出されている2㎝位に切った麺類だけでも、長いままで食べたい。

【相談員の対応】

認知症は全く無い方で、しっかりした意思を持っておられるので、何とか良い方向になるよう考えて頂けないか施設に伝える。

【施設の対応】

管理栄養士や医師とも相談の上、今の状態になっていますが、一度検討してみます。

【改善状況】

検討の結果、蕎麦の時、割りばしと一緒に切らない蕎麦が出された。

また、歯の治療も始まった。

【相談員の感想】

施設がすぐに対応されたことで、利用者の方の笑顔を見ることができ、良かった。

解説・ポイント

食に関しては、さまざまな訴えや要望、問題が起きやすい。嚥下困難な利用者の場合、嚥下食として、一口大食やペースト食、ゼリー食など誤嚥を防ぐために少しでも口から食事をとれるように嚥下障害の程度によって調理の工夫をした食事にする。口から食事をとれなくなったりした場合は経管栄養法(胃ろう栄養法)で摂取することもある。嚥下障害の程度によっては、以前であれば原形がわからず、味も素材とは異なる食事を提供されることが多かったが、最近は、「食」についての意識も高くなり、いろいろ工夫されるようになっている。

また、食事の問題は利用者の嗜好だけでなく口腔ケアにも直結することであり、この事例のように、歯の状態が良くないまま放置されたりしていると、摂食、嚥下に大きな影響を及ぼすことになる。

しかし、「食」は「目で食べる」ともいわれるように、食べ物の形、色彩、材料、味付けなどもふくめて愉しむことは、広く言われているにも関わらず、誤嚥予防を大義名分にして、調理の工夫や食事のあり方の工夫を怠ることは、利用者を尊重していないことになる。また、やむなく嚥下食になっている場合でも「目で愉しむ」ことができるように工夫することは大切なことである。最近では、嚥下障害が強くても食べやすい、見た目も普通食とは変わらないものも開発されていることもあり、関係者の意識向上が求められる。

この事例のように、施設入所当初にみられた嚥下障害が改善されてきても、食事の形状を見直さないまま漫然と当初のまま継続している施設も見受けられ、食の重要性が言われているが、一人ひとりの状況に適切に対応するよりも、現在でも施設の事情を優先する事例も少なからずあることは残念である中、介護相談員が関わったことにより施設の対応が変化したことは大きい。さらに、口腔ケアについても意識改善が図られたことにより、食事をとおしての生活の改善が図られていったことは、今後の利用者にとって良いきっかけになった。ただ、認知症があってもなくても食事に対する認識は同じように大切なことなので、介護相談員もとりあげ方に留意して欲しい