個人情報が漏れ、ショックだった
【相談内容】
知るはずもないヘルパーから、子どもが養子であることを指摘され、とてもショックを受けた。
【相談員の対応】
月1回の事務局との会議で報告。事務局から事業所へ事実関係の確認と、個人情報の保護について周知徹底を図るように通知を行った。利用者へは、相談員から経過を報告した。
【サービス提供事業者の対応】
事務局と事業所との話し合いで、経過説明は事務局と相談員で対応することにした。
解説・ポイント
利用者の個人情報の取り扱いと、サービス担当者の倫理に関する重大な問題である。専門職は「秘密保持の原則と倫理」があるからといって、専門職同士での情報共有は許されない。利用者の個人情報は、本人の承諾なしに知らせてはいけない。訪問サービスは、利用者の家庭で提供され、生活内部に深く関わるので、個人情報には細心の注意を要する。
この事例では、事務局職員と相談員が利用者に説明することになったが、サービス事業者、担当者が真摯に反省する姿勢を、利用者に直接示さなければならない。利用者の相談は、担当者の発言にショックを受けただけでなく、強い怒りも覚えたことが推察できる。相談員は、結果的に事業者をかばう行為をしたことになってしまう可能性がある。
このような行動は、相談員の信頼を損ねるため、厳に慎まなければならないし、事務局もそのことを十分理解しなければならない。