言葉がわからなくて、友人ができない
【相談内容】
県外から家庭の事情でここへきたが、言葉がわかりにくい。言葉の調子が荒く、恐ろしい。そのため、友だちができにくく、さびしい。
【相談員の対応】
言葉に疑問を感じたら、自分から施設職員に聞いてみることをすすめる。
解説・ポイント
初めて施設に入所した人には友人がいない。そして、いままでの自分の生き方が途切れた、日常生活の継続がなくなったと喪失感が強くなる傾向がある。まして、方言で言葉がわかりにくい場合はなおさらだ。
相談員が利用者の不安や喪失感に対して、見守っている姿勢を示したのは適切だった。利用者は、自分で職員やほかの利用者に話しかけなければ、施設での生活がますます不安になる。言葉の疑問など、話し相手である利用者に聞けなくても、職員に聞くのをすすめたことで、利用者の「友だちをつくりたい」「言葉をわかりにくい」という気持ちを、ちょっと後押ししたことになる。
方言のよさは大切だが、相手はすべて理解できていると思わず、言葉の言い換えなども配慮すると、相談員への安心感も増すだろう。