点字を習いたい
女性70歳 全盲 認知症状あり 車いす利用 特養(入所して5年)
【相談内容】
点字を習いたい。
【相談員の対応】
職員に聞いてみた。
【施設の対応】
一度習わせたが、認知症が少しあるし、高齢なので勉強するには遅すぎる。若いときから習わないと無理。
その後
利用者には認知症が少しあるので無理といえなくて、どのように答えればいいのか迷っている。
解説・ポイント
職員がいうように、点字の習得は、心身の状況から困難があることは否めない。しかし、習得が目的でなく、習得するプロセスを目的としたらどうだろう。職員も含めて、「できる、できない」という視点でモノをみがちだが、やろうとする気持ちが生活の目標となる。
利用者にあきらめてもらうために相談員が話をするのではなく、サービス提供事業者に考えてもらうことが大切だ。事業者が実施できないときは、事業者は利用者になぜできないのかをきちんと説明しなければならない。
しかし、もっと重要なことは、事業者が利用者の生活全体を考え、利用者が生活を営んでいくうえでどのように関わっていくのか、援助していくのかを考えることだ。たとえゴールには到達しないとしても、生活に必要であらことを事業者ともども理解しなければならない。