クリーニング店を入れてほしい
70歳代 女性 老健
【相談内容】
洗濯物は家族に頼むことになっているが、家族の負担を考えると気の毒でしかたがない。
施設にクリーニング屋さんの導入をお願いできないだろうか。
【相談員の対応】
希望は施設に伝えると返答する。相談者には「1週間に1度は家族に会いたいのではないですか」と聞いてみる。
【施設の対応】
洗濯物を家族にお願いするのは、家族に施設へ足を運んでもらう目的もある。
クリーニング屋さんの導入は考えられない。
【改善状況】
なし
【相談員の感想】
入所費用で家族に負担をかけているのに、さらに負担をかけるわけにはいかないという相談者の気持ちもわかるが、家族と会う機会をなくさないためにも、利用者には現在のままのほうがよいのかもしれない。
解説・ポイント
介護サービス相談員は、利用者の本音もくみとりつつ、訴えの中心になっているクリーニング店の導入についてもきちんと対応している。
それに比べると、施設側の対応は非常に単純で紋切り型に終始している。施設は「家族に施設へ足を運んでもらう目的もある」としてクリーニング店の導入について一顧だにしないが、家族などの面会者が一人もいない利用者はどうするのかという視点がまったく欠けている。あまりにも安易な対応である。
施設は、一般的な対応(洗濯物はあくまで家族に取りに来てもらう)と個別的な対応(家族などの来所がむずかしい場合はどうするか)のそれぞれについて、利用者にきちんと説明できるようにしておく必要がある。