スプーンが使いにくい
80歳代男性、特養、入所5年
【相談内容】
からだに麻痺があるので、食事のときのスプーンの柄が長いときと短いときがあり、食べにくい。長いものに統一してほしい。わずか1cm弱の違いだが、大きな違いがある。
【相談員の対応】
施設に連絡事項として伝えた。
【施設の対応】
改善に向けて対応したい。
【事務局の対応】
相談員と施設間の調整役を担った。
【改善状況】
食事のときとおやつのときで、スプーンを使い分け、さらに利用者個人に合ったスプーンで対応するように調整した。
【相談員の感想】
利用者の一人ひとりの声が施設の改善につながるので、利用者、施設との関係を地道につくりあげていかなければいけないと思う。
解説・ポイント
利用者個人に合ったスプーンを用意する施設は少ないので参考にしたい事例だが、そもそもスプーンなど、自助具に関する情報は施設側がきちんと収集しておくべき事柄である。また、介護サービス相談員もそうした情報があることを施設に伝えることが大切だ。
今後はこの利用者への対応が他の利用者にまで広がっていくように、介護サービス相談員が見守っていく必要があるだろう。
スプーンだけでなく、「私のカップ」「私の箸」というように、それぞれの利用者の身体状況に合ったさまざまな自助具を用意したり、あるいは在宅のときに慣れ親しんだものを持参できるようにするなど、きめ細やかな対応ができれば、さらに望ましい。