朝食の牛乳が冷たい
80歳代 男性、要介護度2、老健(入所1年)
【相談内容】
朝食に出てくる牛乳が冷たくて飲みにくいので、どうにかしてほしい。
【相談員の対応】
相談内容を施設に伝え、温かい牛乳を出せないかについて相談した。
【施設の対応】
マグカップで温かい牛乳を出すこともできることを相談者に連絡。
【事務局の対応】
施設に問い合わせた。(栄養士との話し合いを行い、利用者の嗜好調査を実施していないため、飲み物の冷温の好みは把握できていないことが判明)
【改善状況】
嗜好調査を実施し、朝食は牛乳、乳酸菌飲料、ヨーグルトのうちどれがいいか、冷温のどちらを希望するかなどを個別に聞き出し、ニーズが反映されるようになった。
解説・ポイント
食事は栄養さえ確保すればよいというものではなく、楽しみの一つである。とくに一日の始まりに供される朝食は、その日の活動の動機づけにもなる。
この事例では、介護サービス相談員の対応が一人の利用者の好みの問題にとどまらず、利用者全体の嗜好調査の実施にまで広がった点に大きな意味がある。
嗜好調査には、
1. 利用者全体の傾向を把握する
2. 一人ひとりの嗜好を個別に把握する
という二つの意義がある。この事例では、利用者に対して、具体的に何がよいか、冷温のどちらがよいかなどを個別に聞き出しており、かつ、その調査結果が実際に朝食に反映されたという点が高く評価できる。