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介護サービス相談・地域づくり連絡会

部屋に鍵がかかっている

部屋に鍵がかかっている

【相談内容】

【介護相談員による観察】

居室が施錠されており、利用者が居室の前でウロウロしている。

【相談員の対応】

在室者がいても、全居室が施錠されていることを確認し、職員に理由を聞く。

【施設の対応】

寝たきりの人にいたずらしたり、モノを持ち出したりするので施錠している。拘束だとわかっているのだが、と口を濁す。

【事務局の対応】

施設長に対し「施錠は拘束であるから対応をお願いします」と伝える。

【改善状況】

ベッドをとって畳の部屋をつくるなど工夫し、居室で自由にできるようになった。

解説・ポイント

身体拘束をしない、させないということは、介護サービスの基本である。しかし、介護を巡る問題が表面に現れなければいい、「預っているから何かあると困る」という姿勢は、まだまだ根強く残っている。
この事例の場合、「施錠=拘束」という部分だけを問題にするだけでは、介護相談員の対応として不十分である。「寝たきりの人にいたずらしたり、モノを持ち出したりする」ということだが、施設利用者(認知症とは書かれていないので、はっきりとは分からないが、おそらく何らかの認知障害があると思われる)がこのような行動をとるには、相応の理由があるはずである。介護相談員として、その原因を施設とともに探っていくことが重要である。その原因が除かれなくては、問題の根本的な解決にはならないからである。
このような問題は、個別ケアがまだまだ確立できていないことからくる、施設の対応が根底にある。介護相談員は、施設において個別ケアを確立し、サービスの質向上につなげられるよう、上記のような問題に対して、施設とともにひとつひとつ原因をひも解いて、解決の道を探りだす姿勢が重要である。
また一方で、施錠は拘束であることは間違いない。上記のような現状を含め、すみやかに市区町村に報告し、対応を図ることが重要である