歯が丈夫なのに3食おかゆ
【相談内容】
歯が丈夫で自分の歯が20本ある。なんでもよくかんで食べられるのに、食事は3食ともおかゆ。魚も身がぽろぽろにほぐしてあり、病人食のようで食感がない。普通に炊いたご飯と、できれば魚の丸干しをガブッとかんでみたいが、勝手で贅沢な望みだろうか。
【相談員の対応】
施設の職員に要望を伝え、本人に直接、返事をしてくれるよう依頼する。
【施設の対応】
おかゆを食べている利用者が多く、今まで不満もでなかったので、いつもおかゆを出していた。看護師長と相談して、なるべく希望にそえるよう対応する。
【改善状況】
3食とも普通食にした。魚の丸干しは、のどに骨が刺さると困るので、骨を取ったものを身を崩さずに出すことにした。相談者も喜んでたべているとのこと。それ以降、食事のときは、介護スタッフもなにか不満はないかと聞いてくれるようになった。
解説・ポイント
高齢者でも歯ごたえのあるものを食べたいと思っている人は多い。まして、この利用者は70歳代で自分の歯が20本も残っており、口腔ケア的にもよい状態にある。
食事を歯で「かむ」ことには、口腔ケアをはじめ、健康面にさまざまな効果があることがわかっており、普通食にするか否かを判断する際は、おかゆなら誰でも食べやすいだろうという視点ではなく、口腔ケアなどの面からも配慮が必要だろう。
この事例では、本人に直接返事をしてくれるよう施設側に依頼したことも含めて、相談員の対応が適切だった。この利用者の訴えをきっかけに、施設が食事に関する要望や苦情がないかを聞くなどの対応をしていることは評価できる。